夏休み。
今年は娘が部活漬けで直前まで予定も立てられずでしたが、半日の自主練に参加しなければ3連休が取れるということで、出かけることにしました。
仲間と一緒に部活動なんて今しかできないし、部活が楽しくて楽しくて仕方がないのは嬉しい限りですが、私は私でここ数ヵ月忙しすぎてリフレッシュしたいと思っていたから、プチトリップ。
娘に行先を考えてもらおうと「ディズニーランド以外の近場でどこに行きたいか」というお題を出したところ、小学校の遠足で行った日光江戸村に行きたいと。
中学最初の社会は地理ですが、小学校で江戸の暮らしや文化について結構色々と調べ学習をしていたから、意外と興味は持っているんですね。
日光は小学校の修学旅行で行ったきりで、しかも当時と違って今は世界遺産。春の小田原に続いて徳川家康ゆかりの地を巡るのは面白いと思い、日光・鬼怒川に決定しました。
今回のテーマは「徳川家康と江戸の暮らしに触れよう」です。
★今回の行先★
日光・鬼怒川
★行った時期★
8月上旬
★オススメ度★
・親子旅 ★★★★★
・ツアー ★★★☆☆
・女子旅 ★★★☆☆
・歴史度 ★★★★★
東京から近くて手軽に回れて歴史の学習にもなじみがある!ということで子連れ旅にはピッタリです。
もちろん、世界遺産ということもあり、普通に歴史をたどりながら建造物の素晴らしさを堪能することでも楽しめます。
日光。
調べてみたらローカル線でも大宮経由だと2回乗り換えで約2時間ということで、行きはのどかな景色を楽しみながらローカルで向かいます。小田原とほとんど変わらない時間で行けてしまうことに驚き!
接続が悪いと4回乗り換えだったりするので、接続が良ければローカルでも全然OK!接続が悪い場合は越谷経由で特急を使うのが早いです。(高くつくけど・・・)
10時半過ぎに日光駅に到着したところで、娘がガイドに載っているクレープを食べたいと言い出し、駅から少し歩いたところにあるクレープ屋さんを目指します。
この時点で既に35度近くあり、5分歩いただけで汗だくになるという過酷な状況・・・なのに!なんとクレープ屋さんがcloseでした。
年中無休と書いてあったのに!
駅まで戻るのも悔しいので、更に先にあるお饅頭屋さんを目指し、そこからバスに乗ることにします。
あまりの暑さに無言・・・昨年のバンコクを思い出しました。
なんとかお饅頭屋さんにたどり着き、まずはひと息。
ここは天然氷のかき氷を出しているということで、かき氷とあんみつをいただきます。
口の中でふんわり柔らかく溶ける天然氷のかき氷は美味。
少し元気が回復したところで、バスに乗って日光東照宮の麓へ。駅で訪れたい場所のチケットを全て購入しておいたので、観光客の列に並ぶことなくスタート。駅では回り方や所要時間なども親切に教えてくれるので、目的が決まっているならチケットを事前購入しておくのはオススメです。
まずはじめは、一番端にある輪王寺大猷院を参拝しました。ここは徳川三大将軍家光公の廟所で、静かで厳かな雰囲気が印象的です。庭園には大名から貢がれたという何百もの灯篭が並び、階段を上りきる都度現れる仁王門、二天門、夜叉門は美しい。東照宮からわざわざこちらまで足を伸ばす観光客は多くないのか、参拝客もまばらで、外国人観光客が熱心に写真を撮ったり、庭園を眺めて涼んだりしていました。
最後の夜叉門に堂々と佇んでいる四体の夜叉。その中の青い烏摩勒伽(うまろきゃ)が気に入ったのですが、この後本殿で住職に説明いただいたところによると、この烏摩勒伽は日本に一体しか存在しない非常に珍しい仏様だといいます。
・烏摩勒伽の膝についている象の飾りは「膝小僧」の由来であり、手に持っている弓矢は初詣でいただく破魔矢の由来・神社とお寺の見分け方は、本殿の天井に天蓋があるかないかで見分けることができる。(天蓋があればお寺、なければ神社)
・よくお寺の天井に描かれている龍の絵は、玉を持っているのが昇り龍(=人々の願いを持って天に昇る)、玉を持っていないのが下り龍(=願いを天に届けて戻ってきた)・破魔矢の正しい祀り方は、矢を上、羽根を下。物事がうまくいかないときは玄関に横向きにして祀る。
その他、家光公の鎧や、300年以上一度も修繕しないまま残されているという襖絵なども見ることができます。国宝ばかりでどれも素晴らしいのですが、日本の寺院仏閣ではたいてい本堂・本殿の写真撮影ができないのが残念。今はカメラの性能が良いので、フラッシュなしでも綺麗に撮影できるのになぜでしょうか。
こちらが家光公のお墓です。家康公(東照宮)よりも目立たないようにということで、白と黒をベースに控えめな装飾になっているのだそう。
続いて参拝したのは、二荒山神社です。こちらは縁結びの神様ということで、賑わっていましたねぇ。下野国の一之宮様なので、由緒ある立派な神社ではあるのですが、アニメーションとコラボしていたりもして、ちょっぴり重々しさには欠けていました。
そしていよいよ日光東照宮。ひたすら暑いのですが、すごい人の数です。時間的なものかもしれませんが、なんとなく1/3くらいが外国人観光客に思えました。あとは小学生の団体。外国人観光客は言葉も様々(韓国語、中国語、ポルトガル語だかスペイン語が多かったような)でしたが、みなさん「Tokugawa Ieyasu」と口にしていたので、家康は海外でも知られた名前なのかなと思ったり。単にガイドブックを読んでいただけかもしれませんが。
ちょうど平成の大修理が終わったばかりというので、色鮮やかで美しい姿が拝めました。深緑の木々と鮮やかな社殿のコントラストが素晴らしい。京都の計算しつくされた美しさも素晴らしいですが、東照宮の躍動感もまた良いものです。なんとなく台湾のお寺と雰囲気が似ている気もしました。先の輪王寺大猷院と同じく地形に沿って社殿が配置されていて、下から見上げたり、上から見たり、広くて社殿の数も多いだけに、色々な角度から見る面白さもあります。
さて、修学旅行の記憶として唯一残っていた「見ざる・聞かざる・言わざる」の三猿の彫刻は思っていた以上に愛らしく、彫刻の細やかさにも見入ってしまいました。全体像は猿の一生(=に例えた人間の一生)を表しているそうですが、個人的には生まれたばかりの子猿と母猿の姿が好きかな。「見ざる・聞かざる・言わざる」は幼少期、悪いことは見ない・聞かない・言わないという場面を描いたものですね。
神社とはいえ、ここにも象がいるのが面白いです。象はお寺に描かれていることが多い気がしていたけれど、そんなことはないのかな。詳しいことは知らないので、調べてみようと思います。御水舎の角を曲がって先を見上げると、陽明門が現れます。
団体客が密集していて陽明門の前で写真を撮れないまま、帰りも撮り損ねてしまいました。日本で一番美しいとされている陽明門。ひとつひとつの彫刻の意味や修理の過程を聞きましたが、その技術と奥深さはこれまた素晴らしいものでした。多湿な日本で木造建築物を建て、何百年にも亘って維持していこうとした当時の技術と工夫は、これからも代々受け継いで欲しいものです。
御本社の前に、奥宮まで上って家康公のお墓をお参りしました。(体力が続くうちに・・・)奥宮への入り口には、かの有名な「眠り猫」。こんなに小さくて目立たないものだったのね、と思いながら通り過ぎたら、猫の下にも「↑眠り猫です」と書かれていました。気付かずに見逃す人が多いのかな笑。
家康公の墓所。昔は将軍しかこの奥宮まで入ってきてはいけなかったということなので、お邪魔しますの気持ちです。ここ東照宮は真後には常に北極星が眺められ、真正面の方角には江戸があると言いますが、当時どうしてこの日光の地に祀るように決めたのか、とても不思議に思います。江戸でもなく三河でもなく日光ですから。諸説あるようですね。
この後、御本社を見て、宝物館で家康公の鎧や様々な刀、文書等を見て、東照宮を後にしました。ここまでで5時間近くひたすら見て歩いてしまったので、最後に立ち寄るつもりだった輪王寺は受付時間を過ぎてしまい断念。
ちょっと誤算だったのは、東照宮内には食べる場所が全くなかったこと。まさか午前中から夕方まで満喫するとは思っていなかったので、昼食を取り損ねて気が付いたらふらふらでした笑。駅までの道もほとんどの飲食店が14時とか15時までなので、駅前で見つけたお店で早めの夕食。いや~、ほてったカラダにチューハイと湯葉餃子、美味しかった!
ここで相変わらず休暇がとれない旦那さんは帰宅するためにお別れ。私と娘は鬼怒川温泉に向かいました。2日目に続く。