庭園散歩 ~旧古河庭園で身近な秋を楽しむ~


今週末は土曜日の朝イチで学校の個人面談。
9時過ぎにフリーになって、さあどうしようと思ったところで、旧古河庭園が思い浮かびました。
少し前に娘が遠足で訪れ、「とても綺麗だったよ」と話していて、気になっていたのです。


JR京浜東北線の上中里駅から徒歩10分。
駅前の坂を上り切り、田端高台通り沿いに左にほんの少し進むと立派な塀が見えてくるので、迷うことはありません。
思いの外に駅から近くて驚くほどです。
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入園料150円を支払って園内に入ると、すぐに目に入ってくるのが趣のある洋館と広い庭。
ちょうど木々が色づき始めていて、緑と赤と青空のコントラストが綺麗でした。
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こちらは明治時代は陸奧宗光の邸宅だった後、古河家の所有となり、大正初期に邸宅と庭園が造られたとのこと。
古河家は古河機械金属、古河電気工業、富士通などの古河グループの創業者で、この邸宅に暮らしていたのは3代目。
石造りの洋館や洋風庭園(バラ園)は、日本の洋風建築界の発展に貢献したといわれるジョサイア・コンドルの設計、日本庭園は京都の庭師である小川治兵衛の設計で、いずれも現存しているものとしては非常に貴重だということです。
入園して、まずは洋館を眺めながらバラ園を回りました。
この時期は秋バラということで、春ほど種類は多くなく、また今年は台風の影響でだいぶダメージが大きかったということですが、それでも色とりどり、たくさんの種類のバラを楽しめます。
庭師さんたちが丹精込めて育てていると伺いましたが、愛情込めて育てないとここまで美しい姿にはならないでしょう。(庭仕事がライフワークの父を見ていても、生き生きとした植物を育てるにはかなりの愛情と忍耐が必要だということが伝わってきます。)
洋館のにバラが似合っていて、絵になる光景ですね。
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バラ園を満喫した後は、一段低い場所に位置している日本庭園を回ってみました。
バラ園と日本庭園の間はツツジの植え込みになっていますが、これは洋から和へと自然に融合するようにと設計されたものだとのこと。
日本庭園から見上げた洋館はこのような感じです。
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日本庭園は日本庭園で素晴らしい。
以前、日本庭園を設計する庭師さんに密着取材した番組を見たことがありますが、日本庭園というのは木一本、岩一個にもとことん拘り抜いてその世界を描いていると語られていました。
灯篭、飛び石、滝など、目に入るひとつひとつがどのような世界を描いているのだろうかと想像すると、とても豊かな気持ちになれる気がします。
そしてこちらの庭園、「心」を形作ったという心字池を中心に、ぐるりと散策できる造りになっています。
土地の高低を生かして造られたという大滝、富士山麓の岩を積み上げたという石垣、石塔などもあり、静けさの中に鳥のさえずりが響き渡り、都心にいることを忘れてしまいそう。
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奥まったところに茶室もあります。
今回は時間がなくて立ち寄れませんでしたが、春と秋にはお抹茶をいただけるそうです。
和装で訪れてみても楽しいかも。
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心字池の奥にある枯山水のひとつ、枯滝。
水を使わずに渓谷の水源を表現するという日本ならではの手法は、ある意味芸術的で、いつ見ても不思議な感覚になります。
昔の人は想像力も表現力も豊かだったのだなぁと思います。

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1時間ほどかけて全体を一周しました。
朝一番だったので、庭園に人が少なかく、ゆっくりじっくり楽しむには良かったのかもしれません。
(紅葉シーズンだからか、10時過ぎるとかなりの人出でした。)
最後に洋館を近くから眺めてみようと思って入り口に行ったら、ちょうど館内ツアーが始まるところで、「ツアー参加されますか?」と声をかけられました。
館内ツアーは本来なら事前に予約をしておかなければならず、それ以外の一般客は入ることができないのですが、空きがあったようで急遽参加できることになったのです。
とてもラッキー。
受付をして、予約の方が集まるまで、テラスから庭園を眺めます。
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残念ながら館内は撮影禁止でしたが、こじんまりとしていながらも、とても美しく素晴らしい造りの建物です。
最近は国内のTV局の取材だけでなく、BBCなど海外からの取材も増えているとのこと。
来年は外国からのお客様がますます増えるかもしれませんねぇと仰っていました。

1階は主に賓客用に利用されていたという応接室、大食堂、ビリヤード室、喫煙室、テラスがあります。
当時のままというシャンデリアやマントルピース、天井や壁に施された彫刻などはシンプルながらも重厚感を醸し出していました。
また、全てレンガ造りという壁(厚さ40センチ)、ドアに取り付けられた鍵穴(隣の部屋を覗くことができます)、使用人の気配を感じさせないように食堂から15m離れた場所に設置されているキッチン、当時のまま残されているガラス窓や鏡など、説明されて分かる箇所もたくさんありました。
この洋館、第二次大戦後に一時期GHQに接収された後、30年近く無人のまま放置されていた期間があり、その際に傷んだり無くなったりしてしまった部分もあるというのは残念なことです。

2階は主に一家の生活スペースで、仏間、客間、主寝室、子ども部屋、浴室などがあります。
仏間は和室ではありますが、とても落ち着く小さな部屋で、設計の際は「チャペル」と記されていたとか。
参加者一同、なるほどなるほどとうなずいていました。
寝室以外は和室ですが、天井の造りなどで格に違いをつけていたということで、仏間と客間は最上格、家族が過ごす場所はそれより少しシンプルにした造りになっています。

なお、1階が完全な洋風、2階が和風と、ひとつの洋館の中に和洋両方が調和している建築物は非常に珍しく、そのような意味でも貴重な存在であるそうで、そのような場所を見学できる機会を得られるのは有難いこと。
迎賓館もそうですが、明治~大正時代の建物を実際に目にすると、小説や歴史書を読んだ時にも「あぁ、あんな場所で過ごしていたのだな」などと想像することができてとても楽しい。
今回は案内してくれたガイドさんのこの場所に対する愛情が感じられて、お話もとても興味深くて面白く、あっという間の1時間でした。

最後に古河家の家紋がデザインされているという玄関のステンドグラスと換気口を見て、庭園を後にしました。
細部まで拘り抜かれている丁寧な造りは、現代ではなかなか見られないかもしれません。
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都内には文化財としての庭園が9つあるので、訪れたことのない残り7庭園も機会を見つけて巡ってみたいと思います。
今週末の思いがけない楽しいお出かけ記録でした。

by mushroomgirl | 2018-11-18 22:26 | お出かけ | Comments(0)

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